第25回 日本心不全学会学術集会 (2021.10 Web開催)

企画1 “初学者・メディカルスタッフのための心不全短期集中特訓〜Etiologyから考える心不全” 午前①:所要時間80分+休憩10分

【企画趣旨】

心不全治療においては、心不全という状態に対する介入と心不全をもたらす背景疾患(etiology)への介入という二つの柱を意識する必要がある。背景疾患が何であるかによって、どのような検査を行いどのように治療を進めていくか、は大きく異なってくる。

今回のセッションでは、臨床現場で普段から心不全と立ち向かうU40世代の先生が、心不全をもたらす背景疾患ごとにどのような視点で診療にあたっているかを解説していただく。セッションの後半では、代表的な3つの背景疾患をもとに具体的に解説していただく。

【演題予定】

座長;聖隷浜松病院循環器科 齋藤秀輝/J C H O九州病院内科・循環器科 加来秀隆

  • U40心不全ネットワークの説明・セッション趣旨  久留米大学高度救命救急センターCCU 柴田龍宏 
  • <概論>心不全のetiologyの鑑別法=病態・鑑別をざっと考える 兵庫県立淡路医療センター循環器内科 藤本恒 
  • <各論1>虚血性心筋症   岩手医科大学循環器内科 那須崇人 
  • <各論2>不整脈誘発性心筋症  国立循環器病センター 岡田厚 
  • <各論3>心臓サルコイドーシス   Leiden University Medical Center   鍋田健

企画2  “症例検討セッション” 午前② 

【企画主旨】

1施設に症例提示を依頼し、複数のディスカッションポイントを設ける。

U40世代のコメンテーターがディスカッションポイントを中心に適宜コメントしながら議論を深め、over40の先生に最後に総括していただく。

【目的】

実際の日常心不全診療においてガイドライン通りにいかずディスカッションが必要な症例を題材として、現場の医師がどのように考え、どうしてそういう結論に至ったか、に焦点をあてて議論する。また、その中で日常臨床においてエビデンスがあるもの、もしくは無い物などをはっきりさせ、新たなリサーチクエスチョンの確認を行う。

【参加者】

座長;奈良県立医科大学循環器内科 石原里美/徳島大学循環器内科 門田宗之

症例提示者:順天堂大学順天堂医院循環器内科 堂垂大志

 『連合弁膜症後の心不全増悪で治療判断に苦慮した症例』

コメンテーター:

東京ベイ・浦安市川医療センター循環器内科 加藤奈穂子

大阪急性期・総合医療センター循環器内科 菊池篤志

東海大学八王子病院心臓血管外科 田中千陽

総括;名古屋大学医学部附属病院重症心不全治療センター/循環器内科 奥村貴裕

企画 3  “地域の差を超えた包括的心不全ケアを探求する〜地域のリソースの限界を超えろ!”  午後①

【企画趣旨】

心不全の患者数は増加の一途をたどり、その平均年齢も年々高齢化している。入院治療の必要な高齢心不全患者が病院に押し寄せる…。そんな“心不全パンデミック”が現実となりつつある現代において心不全を地域包括ケアで支えることの重要性が謳われている。心臓リハビリテーションやAdvance Care Planningなど先進的な取り組みを行う地域がある一方で、地域性や文化からなかなかリソースが限られた地域も存在する。各分野で実際に尽力している先生方にその苦労やシステム作りのコツをお教えいただき、改めて包括的心不全ケアとは何かについて考える。

【演題予定】

座長;久留米大学病院高度救命救急センターCCU 柴田龍宏/浜松医科大学内科学第三講座循環器内科 生駒剛典

・<総論>:地域の差を排除した普遍的な包括的ケアとは? 久留米大学病院高度救命救急センターCCU 柴田龍宏 

・<各論1>Advance Care Planningと緩和ケア 小倉記念病院 高麗謙吾 

・<各論2>心臓リハビリテーションに関して   島根 伊藤医院 伊藤新平

・<各論3>介護支援など社会的サポートに関して  佐賀 織田病院 織田良正

・総合討論〜パネルディスカッション 

企画4  “Pros/Consセッション 「今改めて考える Swan-Ganzカテーテルは要る?要らない?” 午後②

【概要】

Pros/Consセッション

テーマ;Swan-Ganzカテーテルが要るか?要らないか?

【企画主旨】

古典的な侵襲的血行動態評価法であるSwan-Ganzカテーテル検査は心不全診療において様々な血行動態指標を知ることができる一方で、感染などの合併症リスクもありルーチンでの使用は推奨されていない。また、フロートラックセンサーの開発や心臓超音波検査の進歩により、非侵襲的検査での血行動態の推論が以前よりも容易になっている。現代の心不全診療においてのSwan-Ganzカテーテル使用を積極的に推奨する立場、積極的には推奨しない立場に分かれて、改めて本検査のあり方を考える機会としたい。

【演題予定】

Pros側 <Swan-Ganzカテーテルは要る> 心拍出力について

Cons側<Swan-Ganzカテーテルは要らない> 心拍出力について

Pros側 <Swan-Ganzカテーテルは要る> volume管理について

Cons側<Swan-Ganzカテーテルは要らない> volume管理について

総合討論

総括

座長  東邦大学医療センター大森病院 循環器内科 松本新吾、順天堂大学循環器内科 鍵山暢之

Pro演者  麻生飯塚病院循環器内科 川上将司

Cons演者 聖マリアンナ医科大学循環器内科 佐藤如雄

総括 国立循環器病センター 北井豪

企画 5  “with-コロナ時代の心不全を振り返り、post-コロナ時代の心不全診療を考える”  午後③

【企画趣旨】

2020年から2021年にかけて新型コロナウィルスが世界を席巻し、心不全の診療現場でも様々な変化がありました。前半はwith-コロナ時代の心不全診療を、臨床現場の視点と研究データのそれぞれの視点で振り返る。後半は、with-コロナ時代の経験を踏まえてpost-コロナ時代の心不全診療のあり方を遠隔診療の活用も含めて議論していく。

【演題予定】

座長;JCHO九州病院 加来秀隆/国立循環器病センター 三浦弘之

<with-コロナ時代の心不全を振り返る>

  • COVID19パンデミックの心不全診療の現場を振り返る 神戸市立医療センター中央市民病院循環器内科 村井亮介 
  • データから考えるCOVID-19と心不全診療 東邦大学医療センター大森病院循環器内科 松本新吾 

<post-コロナ時代の心不全診療を考える>

  • 遠隔モニタリングとWearableデバイスで心不全を支える 手稲渓仁会病院循環器内科 佐藤宏行 
  • 遠隔心臓リハビリテーションを考える 大阪大学 国際医工情報センター 谷口達典